シンプルライフと私服の制服化
「私服の制服化」という言葉。
人から聞いたり、目にするのは気にならないんですが、自分ではあまり使いません。
それにはいくつか理由があるのです。
制服が嫌いだった。
中学生の頃から、制服が嫌いでした。
こういうと、ちょっと不良っぽくて悪い仲間とつるむカワイイ子が言いそうだけど、実際は全く違っていて、ものすごく真面目でファッションや美容にはホント疎いTHE女学生でした(笑)
とにかく皆んなと同じ制服で並んでると自分のビジュアルの残念さが際立ってイヤだったり(何を着ても残念だった説もあるけど…略)、毎日まいにち同じ服ばっかり着てるのって、なんだかつまらないと思っていました。
そして高校は私服の学校へ。
私の制服生活は15歳で終了したのです。
社会人になって「制服」に憧れる
真面目でダサ子だった私も、その後は人並みにファッションや恋愛を覚えた。
そして社会人になり就職した頃に、はじめて「制服」が欲しいと思った。
なぜかというと、毎日会社の先輩に服装を注意されていたから。
「くるぶし丈のパンツでも、生足はダメよ」
「かかとのない靴(ミュール)で、社内を歩くのは服装規定で禁止されています」
「もう少し、地味目の服、ないかしらね」
「スカートの丈が短いと、隣の部署からも言われているから、ちょっと控えめにした方が良さそうよ」…
諸先輩はすごく優しくて良い人だったから、「なんとか明日は怒られないようにしよう」と思っていたけど、社内服装規定をいくら読んでも、私はそのルールに中々対応ができず、本当に苦労した。
「制服」が欲しいと伝える。
ある日、先輩に「仕事用の服がないので、オフィス服を買って、会社で着替えたい。わたし、制服が欲しいんです」とおそるおそる提案してみた。
グレーのベスト&タイトスカートなら見つけられそうだった。もはや気分はコスプレで、かつてのTHE女学生はTHEオフィスレディになるのだ…!と息巻いたけど、
結果は、ただでさえ新人で目立っているので、私服の社内で制服を着ていると「悪目立ちしそう」という話になり、その提案は却下となった。
「制服」と「服装」
その後、時を経て、私もオトナになり、社内の暗黙のファッションルールをマスターし、新入社員に昔自分が言われたセリフをやんわりと伝えるような年代になってしまった。
制服は、人によっては「不自由の象徴」かもしれないし「選択の簡素化」かもしれない。様々なバリエーションから服を選ぶことはファッションの感性を養うけれど(若い頃から私服の場数を踏んでる人におしゃれさんは多い)、体調が悪くて朝の化粧もままならない日には、制服のありがたさを感じるはず。
どんな服にも、その人の属性や生活様式を表す要素が含んでいるから、「完全に制服ではない服」というのは存在しないかもしれないけれど、
私にとって、毎日の洋服は、どんなルーティンで気倒しても、それが俗にいう「制服化」であっても、若かりし頃の面影を残す「制服」という言葉よりも、
その日の予定や出会う人のことを考えながら、その1日の為に装った服、すなわち「服装」でありたいと思うのでした。