選択と妥協
2つの選択肢があるとき、まずは両方を手に入れることはできないか?
と考えてみることは、世渡りにもビジネスにおいても大切な発想。
ですが、実際はそう上手くはいかず、どちらか良い方、または多少妥協して選択することが多いものです。
「高くて良いもの」か「安く済ませるか」の2択のつもりが、気づけば「値段も質も中途ハンパ」な妥協点で落ちついてしまったり(もちろん中間で良いものもあるけれど)、仕事や結婚さえも妥協してしまうというケースなど、多かれ少なかれ誰にでも経験があることだと思います。
▷結婚の経済学とシンプルライフの共通点、大切なのは決断の勇気。
許容できるかできないか
私は、妥協して結婚したわけではありませんが、結婚当初は「これからは100%自分の思い通りにならないこともあるんだろうな」くらいのことは自分に言い聞かせていました。
独身でも100%自分の思い通りに行かないことは多々あるはずなのに…なんとなく気負ってたのかもしれません。
現在は、北海道ーNY間の遠距離婚というフリースタイルな結婚のかたちで、自由に思いのままに暮らしていますが、
自分の欲を通さない=つまり妥協する、と決めたときというのは、それなりの結果でも受け入れて楽しむ、くらいの心の余裕が必要だと思っていて、
そうした余裕があるときは、妥協したというよりも、直感的に運命や成り行きに任せてみた、というニュアンスの方がしっくりくるものです。
だからこそ、結果を許容できる自信がなければ、欲しいものは妥協しないのが一番だと思います。
▷ニューヨークで学ぶ、選択する力。「選ぶ」を愉しむミニマムライフ
妥協しかけたアメリカ行き
数年前の私は、危うく自分の人生に妥協しかけていました。
10年以上勤めた会社を、この先もずっと続けていくことに興味を持てなくなったとき、どこか違う場所で新しいチャレンジがしたいと思っていました。
その時、なんとなく思い浮かんだのは東京。
海外への憧れはあったけれど、「結婚しているし、さすがに単身海外で働くのは無理かもしれない、でも東京くらいなら行けるんじゃないかな」なんて淡く考えていました。
結局、東京で働くという選択肢はなしになったのですが、海外への思いが捨てられなかったとき、次に浮かんだのは手近な「アジア就職」というアイディアでした。
アジア就職に関連する本は手当たり次第読みました。
時差も少ない、物価も安い、日本での職歴やビジネスルールの基礎があればアジアでの仕事はそんなにハードルが高くないはず。
そうしたメリットを自分に言い聞かせていました。ですが、途中からある心の声に気づきました。
「本当にアジアで暮らしたいの?妥協していない?ワクワクしてる?」
確かに海外が好き。アジア圏にも10回位は行っている。けれど「もーどうしようもなくアジアが大好きで大好きでたまらない!」というほどではない自分。それは無視できない存在でした。
そうして、ようやく私が本当に行きたいのは海外でも欧米の英語圏、できればニューヨークなんだということに気がついたのです。
欲しいものは妥協する必要なんてない
モノも目標も、仕事も結婚も、一切の妥協なしに物事を進めていくのは難しいものです。自分にとって重要でないこと、こだわりのないものは上手に歩み寄ることで、選択の労力やコストを削減できるというメリットもあります。
ただ、生活の中で妥協することに慣れてしまうと、
好きなモノより安いモノ
欲しいものより手近なもの
難しい方より簡単な方
と、どんどん流されてしまいがちです。
結果を受け入れる心の広さもないままに、妥協だけを繰り返し、仕事も住む場所も、付き合う人も食べるものも着る服も、全てが妥協だらけだとしたら…その人生にはどんな意味があるでしょう、とても不自由に感じられそうです。
妥協したくないものは何かを知ること
後悔したくないのなら、妥協しないこと
「自分の人生、妥協する必要なんてない」
立ち止まって、それは本当にドキドキワクワクするの?って心に問いかける。初めは怖くても、諦めなければきっと大丈夫。きちんと自分の譲れないポイントを理解し、妥協せずに進むことこそが、理想の生き方を支えてくれる方法だと思っています。