断捨離系の話でよく出てくるキーワードが、
「もったいない」
何かを捨てる際になんとも言えない罪悪感に苛ませる言葉です。
この声に出して読みたい日本語には、大きく2種類あると私は思っています。
<目次>
小悪魔みたいな「もったいない」
まず「もったいない」の意味についてですが、Wikipediaによると、
もったいないは仏教用語で、戒めの言葉だったんですよね。日本人に生まれて「もったいない」の意味合いを深く理解しているからこそ、罪悪感を感じるのかもしれません。
で、「モノを大切にしよう」という意味については後述するとして、日常生活で案外気をつけないと行けないのが例えばこんな会話です。
☆☆☆
私「もう仕事やめようかなぁ」
友達「えー、せっかく長く働いてるのにもったいないよぉ」
私「え、そう?でも気づいたら長くいただけだよー」
友達「そんなことあるって、マジで!」
私「そっか、じゃぁもう少し頑張ろうかなぁ。あ、すみませーん、ビールもう一杯!」
→こういう場合の「もったいない」はその人(友達等)にとって、客観的にその現状が「どう見えるか」ということをI message(私はこう思います)という形で教えてくれています。
「友達がどう思うか」と、「私がどう思うか」は全くもって別の話なので、ある人にとっての生活必需品が、私にとっての不用品であるように、友達の意見はあくまで友達の意見。これはごく当たり前のことなのです。
でも「もったいない」と言われると、まるで食べ物を粗末にしているかのような、悪いことをしている、あるいは申し訳ないことをしているような気持ちになってしまう時ありませんか?
なんとなくいわれた「もったいない」という言葉に「もったいない」=悪という子供じみた公式で、「もったいないお化け」が出てこないように、そぉーっと気持ちを引っ込める(笑)みたいなことが、これまで何度もありました。
でも、「モノを捨てる時の決別」と同じで、結局最後は自分自身との問題です。
今では「もったいない」と言われても「相手がどう思うか」であって、「自分がどうすべきか」では決してないと肝に銘じています。尊敬する人生の先輩や親友からのアドバイスで、理由も明確であればどんどん参考にはしますが、「もったいない」という言葉の雰囲気だけに飲み込まれないようにしようと思っています。
心の中で「あなたの意見を教えてくれてありがとう!後は自分で考えるね!」、これで十分です(笑)
「もったいない」という言葉は時として、「まだ大切に使えたものを捨ててしまったんじゃない?」という気にさせるマジックワード。結構手強いのでいう時も言われる時も少しだけ気をつけたいところです。
聖母のような、 もう1つの「もったいない」
こちらはいわゆる「オモテナシ」的な、おくゆかしい日本語、「モッタイナイ」=MOTTAINAIの方の話。
環境部門で初めてノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんというケニア人の女性が、来日時に「もったいない」という日本語の意味を知り感銘を受け、世界中に広めようと提唱したもの。世界に通じる美しい日本語が増えるのは嬉しい事です。
英語には日本語の「もったいない」にあたる言葉はないそうですよね。ワンガリ・マータイさんはこう言っています。
「もったいない」には環境の3R=ゴミ削減(Reduce)、再利用(Reuse)、リサイクル(Recycle)に尊敬の念(Reppect)が込められている。
例えば不用品を棄てるのではなく、使ってもらえる人に寄付したり、活かすこと、ゴミ拾いや環境に優しい製品を使うこと、そうした取り組みはミニマルに生きる上でとても大切です。モノを大切にする日本人が受け継いだ昔ながらの心。こちらはこれからもっともっと、使っていきたい言葉ですね。
んちゃ