テレビというメディアの立ち位置が年々変わっています。
最近ネットや周りで先日放送の長時間番組の話を聞くので、改めてテレビというメディアについて感じたことをひとつ。番組は観てないので、戯言として軽く読み流して頂ければと思います。
今回、ナインティナインの岡村さんが何時間も踊り続けたり
大久保佳代子さんが88kmをマラソンしたり、
それ自体、自分には到底できないことですし、世間一般の人から見てもすごいことだと思うので、感心・感動して純粋に「すごいなぁ!」と思いました。
(youtubeに出ていたのを断片的に後から観た)
元来、人間は頑張っている人やピンチの人を励まし、助けたくなる心理があると思います。調べるとそれはアンダードッグ効果というようです。
【第3回】つい応援してしまう「アンダードッグ効果」|ビジネスで使える心理学/菊原智明|人と仕事研究所
人間は弱い立場にある人や不利な状況に追い込まれている人を見ると、その人を応援したくなる心理状態になることがあります。その人が一所懸命に努力する姿を目の当たりにする機会があれば、その思いはいっそう高くなります。そんな心理効果をアンダードッグ効果といいます。
この効果から、一生懸命目標や夢に向かって頑張る多くの人、アスリート、高校球児、芸術家等々を観ると胸が熱くなり応援したくなってしまいます。ですので、芸人さんが本業以外の何かを長時間続けるのを観れば、視聴者は当然応援したくなります。チャンネルはそのままに…です。
でも元々、TVというメディアはあらゆる出来事を報道する責任があります。勿論、面白いバラエティの企画を提案しエンターテイメントを発信するという役割もあるのですが、
視聴者が「頑張る人を応援したくなる」という心理を利用して、「芸能人」を頑張らせて視聴率をとることと、
「頑張ろうとする人」がそこにいて、その人の「挑戦」があって、それにテレビが密着して視聴者が熱狂するというのは、
順番が完全に逆だなと。
テレビが「挑戦」という企画をつくって、パートナーである芸能人に「頑張る」よう指示・お願いして、それで視聴者を釘づけにさせて視聴率をとるという順番に完全に変えてしまっていると今更ながら感じました(時には頑張るを超えて酷使するレベルにも…)
テレビ局と出演者は互いに重要なパートナーですから相互にWIN-WINであればそれは構いませんし、順番が逆でもその出演者が「頑張った」ことに変わりがないので、感動するにはするのですが、
「企画」という下地のもとに作られた番組という内在操作が前者と後者に感動の心理的温度差を生んでしまう気がしました。
今回の2〇時間テレビの裏番組で女性芸人のイモトアヤコさんがマッキンリーに登頂するという番組があり、視聴率はその番組が上回ったそうです。
テレビ局の企画発信という同条件ながらも彼女が何年もかけてモンブランやマッターホルンにも登っている経緯等から局が「やらせてる感」が少なく、そちら側により「感動の源流」を感じたのも要因かと勝手に推測しました。
イモトさんも以前2〇時間(他局の方)テレビで長距離マラソンやってましたが…^^;
とまぁ色々なことを思いながらも挑戦する人は応援したいという気持ちはやはり変わりません。
今後、ネットより読書よりずっと面白いテレビが出てきて、胸を熱くさせられることを期待して、その時には私もぜひテレビを応援しようと思います。
んちゃ

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